2020109

パチンコ店の8月の売上は前月の減少幅と同水準の前年比2割減

経済産業省の特定サービス産業動態調査によると、20208月のパチンコ店売上高(全数調査ではない)234,312百万円で前年同月に比べ21.7%減少と前月(-21.2%)とほぼ同じ水準で推移しました。

 

5月を底に減少幅は縮小してきましたが、ここへ来て回復が足踏みしています。

 

これは、昨年7月から14か月連続で前年割れが続いていることになります(下のグラフをご参照ください)

 

 パチンコ店売上高と家計消費支出8月

 

遊タイム付パチンコや高設定パチスロへの期待に関わらず客足の戻りには頭打ち感が漂う

9月以降も、売上が大きく回復しているとの情報はほとんど目につかず客足の戻りは頭打ちといった感じです。

特にパチスロの戻りが厳しい印象です。やはり、人気を維持してきた高射幸性遊技機が順次、設置期限を迎え撤去されている影響は大きいでしょう。

 

こうしたなか、103日はアニメ「魔法少女まどか☆マギカ」の主人公である鹿目まどかの誕生日でした。

 

一部の店舗では開店待ちのお客さんが殺到し2,400人で抽選を打ち切るなど、同タイトルの機種が高設定投入への期待感から人気だったようですが、全国的にみると全体をけん引するまでには至らないとの見方が大勢です。

 

一方、パチンコでは、遊タイム搭載機種が続々と新台導入されています。

 

8月「ぱちんこ新必殺仕置人TURBO」や9月「ぱちんこ仮面ライダー轟音」など話題性の高い機種もあり、それなりの稼働を示しているようですが、集客にどの程度貢献できるかはこれからでしょう。

 

 

ちなみに、「遊タイム」をおおまかに説明すると、特定の回転数まで回すと時短に突入し一般的に大当りの期待が高くなるシステムです。

 

消費マインドが冷え込みつつあるなかでのパチンコ支出の減少

こうしたなか、懸念されるのは、売上の前年割れが14か月続いていることです。

 

これに、以前からの広告宣伝規制や射幸性を抑えた遊技機への転換(一定期間先延ばしされてはいるが)による影響も加わります。

 

パチンコ離れに歯止めがかからない環境に変わりはありません。

 

 家計消費支出と実収入8月

 

パチンコへの支出を考えるにあたって、家計消費支出(前年同月比)をみると、消費税増税の影響もあり201910月以降、前年を下回る傾向にあります。

 

8月は-6.9%と、前月(-7.6%)よりやや減少幅を縮小したものの力強さには欠けます。

 

このように、消費マインドが低下傾向にあるということは、当然、パチンコへの支出の減少にもつながります。

 

一方、世帯収入(前年同月比)は、特別定額給付金の支給が行われた効果もあり、5月(前年比9.8%増)、6月(15.7%増)、7月(9.2%増)と大幅な増加が続いてきましたが、8月は1.2%増と増加幅が縮小しています。

 

これは、給付金の効果が薄れてきたともとれ、今後、パチンコへの支出がさらに落ち込む不透明要因としても心配されるところです。

 

雇用意欲は減退しつつあり解雇が増えるなかでのパチンコ支出への影響は続く

この間、有効求人倍率は20195月以降、低下傾向にあり、企業の雇用意欲は減退しつつあります(201941.63→51.622020年→61.1181.04)

 

さらに、足元では雇用の喪失が急速に進んでいます。

 

厚生労働省によると、コロナ禍による全国の解雇や雇い止めは、1月末から102日までに63347人(見込み含む)にものぼるそうです。

 

このように、今後の所得環境の悪化が予想される中、家計の消費支出は、特別定額給付金の支給による一時的な下支え効果も終わり、抑制傾向が続くと思われます。

 

パチンコの売上が戻りきらないのはこうした大きな要因が背景にあることは否定できないでしょう。

By okadmin

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