2020年9月22日【記事更新:2020年12月18日】
データを最新のものに更新しました。
パチンコ店の直近10か月の売上は前年比3割近くの減少幅で推移
パチンコ店の売上高は、2019年7月から2020年10月まで16か月連続で前年を下回る状況が続いています。(経済産業省の特定サービス産業動態調査より)
特に2020年入り後は4~5月にかけての全国一斉休業による激しい落ち込みの影響もあり10月までの10か月平均で-28.4%と大幅な減少率で推移しました。特に5月は-77.5%と見たこともないような数値を記録しています。
最新データの10月は前年比-17.2%と幾分減少幅を縮小していますが、頭打ち感が否めません。
年内の客足の急激な回復は期待薄であり売上は前年割れが続く公算大
ここで、コロナ禍以前の売上高の前年比についてみてみます。
売上が前年を下回り始めた2019年7月から、コロナ禍が客足に影響を及ぼし始める直前となる2月までの平均値は-6.3%です。
コロナ禍の影響以前から売上は減少していたわけです。
特にパチスロは、これまで稼働をけん引してきた旧基準機が設置期限切れを迎えるにつれ、客離れへの懸念が続いています。
新基準機の6号機は、今のところ旧基準機の5号機に匹敵するようなヒット機種は生まれておらず、稼働回復のきっかけを模索している状況です。
一方、パチンコでは、遊タイム搭載機種の導入が勢いづいています。12月は旧基準CR機大ヒット機の後継機種となる「真・北斗無双3」と「大海物語4スペシャル」の新基準P機2機種が導入されており、それなりの稼働が期待されますが、客足が定着するかどうかはこれからです。
こうしたことを勘案すると、11月以降も客足の急激な回復は考えづらく10月並みで推移するとみるのが妥当でしょう。
このため、2020年のパチンコ店の年間売上高は前年比2割以上(-26.6%)落ち込むと推計されます。
現状をみると、パチンコ店が生き残るための喫緊の課題は顧客獲得競争にならざるを得ず、古臭い表現にはなりますが、限られたパイの奪い合いが激しさを増しているようです。
当然、新台入替費用や人件費の抑制等経費の削減は実施されているでしょうが、さらに、我々パチンコユーザーにとって大問題なのは出玉還元費用の抑制が懸念されることなのです。